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【シーゲルの罠】 株式投資の未来のレビュー ①

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ジェレミー・シーゲル著の株式投資の未来は米国株投資家にとってバイブルともいうべき名著で、この本を読んで米国株に投資しようと思った方も多いと思います。

しかし、私はこの本を読んで疑問に感じたことがいくつかあったので記事にしました。

※記事タイトルはシーゲルの罠としていますが、本書の内容が間違っているという意味ではありません。

 

 

配当課税と手数料が考慮されていない

第9章のキャピタルゲインと配当再投資の図ですが、最初にこの図を見たときにアメリカの配当課税は何%なんだろうと思いました。

ネットでこの点について検索したところマネーボイスの記事が見つかりました。

証券会社から出されている目論見書もシーゲル博士の著書で書かれている研究結果も、全て配当金にかかる課税を無視して計算しています。

出典:何か変だぞ? いま話題の「配当貴族インデックス投資」に潜む罠=東条雅彦 | マネーボイス

そしておそらく株式の購入手数料も考慮されていません。

税金と手数料は長期投資における大きな障害です。

具体的な影響を以下の条件で仮定して計算してみました。

 

条件:100万円分を購入、利回りは5%、株価はずっと横ばい

税金を無視すると当初の100万円が10年後には1,643,619円となります。

しかし、実際には配当課税が20.315%、購入手数料が0.45%+消費税がかかってしまうため

1,483,696円となり約10%もパフォーマンスの差が出てしまいます。

本著では

1871年から2003年にかけて、インフレ調整ベースで、株式の累積リターンの97%は、配当再投資が生みだしてきた。値上がり益が生みだした部分は3%にすぎない。

「株式投資の未来」144ページから引用

とありますが、先程の計算を132年続けると税金と購入手数料の有無の差は

なんと約3.86倍となります。(税無:7億600万、税有:1億8,300万)

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この点を考慮するとやはり本著の内容は少し現実的ではないと感じました。

 

そもそも配当再投資をしていますか?

この本を読んだばかりの頃は配当再投資こそ至高の投資法だと考えていましたが、

自動で再投資できないこと、手数料が高いこと、等から実際にはやることはありませんでした。

最近ではSBI証券が「米国株式・ETF定期買付サービス」を始めたので、このサービスを使えば再投資に近いことはできると思います。

しかし、このサービスも同様の手数料がかかるため、高額の投資を行なっている方以外は手数料の影響が大きすぎると考えています。

私と同じような考えから、実際には配当再投資をしていない方も多いのではないでしょうか。

 

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結論

「株式投資の未来」は日本の税制や購入手数料を加味すると、少し非現実的だと思いました。

他にも疑問に感じたことがあったので、後日続きを書きます。

 

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